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【6月から幻のピザ復活】バルセロナの
ガストロピザ屋 Nonna Maria/ノンナマリア
スペインの中でも、厳しい規制が引かれていたカタルーニャ州にも、初夏の訪れとともに、日常が戻りつつある今日この頃。5月になり、レストランでもようやく夕食が楽しめるようになりました。
ヨーロッパ有数の観光地バルセロナにも、少しずつ外国人観光客が戻り、長い間、人もまばらだったボケリア(サン・ジョセップ市場)も、以前の賑わいを取り戻したかのような活気に溢れています。5月24日から、今まで入国を制限されていた日本人観光客も、PCR検査なしで入国できるようになりました。ランチ営業だけでは、ビールやグラスワインしか動かず、お客様単価も上がらず、苦戦を強いられてきたレストランやバル、そしてホテルも、ようやく通常営業ができるようになり、長かった冬がようやく終わったかのようにみえます。
Nonna Maria(ノンナマリア)復活までの物語
バルセロナ初のガストロピザ屋として、2016年の開店以来、常にフーディーの熱い注目を集めてきた「Nonna Maria(ノンナマリア)」。最初の店舗が人気のため手狭になり、スペインの5スターホテル、“メリア・バルセロナ・サリア(Melià Barcelona Sarrià)“のロビー階にある、開放感のある店舗に移転をしたのが2019年。話題のガストロピザを求めて、連日広い店内はお客様で溢れていた最中に、悪夢のパンデミックが起こりました。
「去年の夏まで医療ホテルとして使われていたり、諸々の規約などの関係で、13ヶ月間、レストランを開けることができませんでした。ピザのテイクアウトだけでもしたかったけど、それも叶わなかった。2020年は本当に長かったです」、と”Nonna Maria(ノンナマリア)”CEO安井理恵さんは語ります。
安井さんは、「レストラン サン・パウ」の唯一の支店「サン・パウ東京」のエグゼクティブ・ディレクターから、スペイン本店のメートル・ドテル(ホールマネージャー)に抜擢され、10年間重要なポジションに従事した後、 現在バルセロナで注目のガストロピザ・レストラン「Nonna Maria(ノンナマリア)」をパートナーと共同経営され、先月、晴れて著書の「Pizzas para llevar (ピッツァス・パラ・ジェバール)」 がスペイン、南米で重判され再び話題を呼んでいます。
★安井理恵さんへのスペイン美食インタビューはこちらから。
Nonna Maria(ノンナマリア)、おすすめピザご紹介
待ちに待った営業再開後、フーディーが絶賛するグルメピザを求めて「Nonna Maria(ノンナマリア)」へ。この日の感動を思わずつぶやきました。
バルセロナで話題のガストロPizza屋
“Nonna Maria ノンナマリア🍕”こんなにペロリとピザを平らげたのは初めて!サクッと軽い食感と、サラダ感覚でヘルシーな上に、ブラッターチーズがたまらない。ジェロームピザ最高でした。
ファーストフードというイメージが覆されすっかりファンになりました。 pic.twitter.com/cE2i9oIT6B
— 原田郁美🇪🇸スペインの葡萄畑から (@puentespainwine) May 13, 2021
ピザは大好きだけど、すぐにお腹いっぱいになってしまうので食べる機会があまりなかったのですが、「Nonna Maria(ノンナマリア)」のピザはどうしても食べたくて楽しみにして来ました、と正直に伝えたら、そんな我儘な私にピッタリのピザを安井さんがおすすめしてくれました。
★Pizza Jérôme(ピザ・ジェローム)
トマト、ブラッター、スパイシーチョリソ、チェリートマト、グリーンオリーブ、ペスト、ラムズレタス
「Nonna Maria(ノンナマリア)」のCo-CEOであり、ミシュラン三ツ星レストラン・サンパウ(本店・2018年閉店)のシェフを務めた安井さんのパートナー、フランス人シェフジェローム・キルボフ氏の名前を関したジェロームピザは、ノンナマリアを代表する人気ピザの一つ。
★Piazza Okonomiyaki(ピザ・お好み焼き)
モッツァレラチーズ、キャベツ、お好み焼きソース、マヨネーズ、ベーコン、海苔、かつお節、卵
もう一つ、「Nonna Maria(ノンナマリア)」ならではの人気ピザ、OKONOMIYAKIピザは、広島のおたふくソースとキューピーマヨネーズが、日本人にとってなんとも懐かしく、スペイン人にとっては、踊るかつお節や味わいが斬新。安井さんのアイデンティティがつまったピザで、フーディーなスペインにも人気だそうです。生地がとっても軽やかなので、こちらもペロリと食べられました。
なんとも感動したのは、そのサクサク、軽やかな生地の食感です。ナポリピザ生地のもちもちタイプに比べて、サクサク軽やかで、端っこを残すどころか全部食いらげたくなるのが、ノンナマリアの企業秘密である独自の生地。48時間以上発酵した生地を、イタリア人の熟練ピザ職人が焼き上げます。
ワインリストは、カタルーニャ中心のカジュアルなワインやカバから、シャンパーニュは、五つ星ホテルならではのドン・ペリニヨンやクリスタルまで楽しめます。
6月からいよいよ復活!月替りピザ(Pizza del mes)
名だたるミシュランシェフとのコラボレーションで生まれる月替りのピザは、「Nonna Maria(ノンナマリア)」でしか食べられない、スペシャルピザです。今まで、RESTAURANT SANT PAUのカルメ・ルスカレダ氏や、Gaig Barcelonaのカルレス・ガッチ氏、Can Jubanyのナンドゥ・ジュバニー、Noor Restaurantのパコ・モラレス氏をはじめとしたトップシェフたちのスペシャルピザが楽しめました。
その大人気企画がいよいよ6月から再開されます。一番バッターは、バルセロナ屈指の人気シーフード店のひとつで、マドリードにもオープンした、Estimarのラファ・サフラ氏の”pizza de chipirones fritos(ピッツァ・デ・チピロネス・フリトス)”。Estimarのスペシャリティー料理の一つ、チピロネス(小イカ)のフライとイカスミのピザ、なんて斬新なのでしょう!本来なら2020年3月の月替りピザになるはずが、ロックダウンのため一年以上もお蔵入りになっていた幻のピザと聞くと、ますます食べたい気持ちが湧き上がります。今年の6月にしか食べられないスペシャルなピザ、また必ず訪れたいと思います。