2019年11月グリフォイ・デクララセミナー 東京
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ベルモットとは
ベルモットは、スペイン語でVermú ベルムー、カタルーニャ語でVermutベルムットと発音します。(語尾のトはかなり控えめに) ワインをベースにニガヨモギなどのハーブやスパイスを配合して造られたフレーバードワインです。ちなみに、ベルモットという名前はドイツ語のwermut(ニガヨモギ)に由来するそうです。
レウス市内にある、ベルモット美術館(Museu del vermut)
イタリアやフランスが有名ですが、スペインでも伝統的に造られていて、特にガウディの生まれ故郷、 カタルーニャ州タラゴナ県レウスのベルモットは有名です。レウスは18世紀に貿易の街として栄え、醸造・蒸溜所もたくさんありました。レウス産の織物や、蒸留酒、そしてベルモットは、パリや、ロンドンをはじめ、国際的に取引されていました。レウスからプリオラートまで、内陸に向けて約40kmと非常に近く、昔からプロオラートにもベルモットの文化は深く根付いていました。近年は、スペイン全土でブームを巻き起こしていて、バルセロナやマドリードなどの都会にも、ベルモット専門バルが増え、 若者からも愛される飲み物として復活しました。
少年時代のアントニ・ガウディの銅像。レウス
プリオラートのベルモットとは
ベルモットと言えば、白を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、赤ワインの産地プリオラートでは、やはり赤が主流です。プリオラートの家庭では、週末のお昼、アペリティフにベルモットと、オリーブの実、ムール貝、ベルベレチョス(ザル貝)の缶詰などをいただくのが慣習で、この慣習(ベルモットを飲みながら、オリーブや貝をつまむこと)をまとめて「ベルムット」と呼びます。その後、パエリャやフィデウアなどを家族で囲みながらワインに移ります。DOQプリオラートの白ワインの割合は、最近少しづつ増えてきているとは言え5%と非常に少なく、やはり伝統的には赤ワインを飲むのが主流です。
「グリフォイ・ベルモット」誕生のきっかけ
エルモラール村の我が家にいらしたお客様に、アペリティフとしてお出ししていたグリフォイ家のベルモットを、多くの方から「買って帰りたい」と言われたのがきっかけでした。スイス、ドイツ、タイ、シンガポールのインポーターの方々が特に熱心でした。2019年に晴れて商品化が叶い、2020年2月、日本での販売もスタートしました。
「グリフォイ・ベルモット」の特徴
「グリフォイ・ベルモット」の特徴は、ベースワインに「エルゴス」の赤、ガルナッチャ・ネグラを100%贅沢に使っています。グリフォイ・デクララの全てのワインは、自社畑、手摘み、有機栽培のサスティナブルな農法のもと造っています。また、エルモラール村に自然に育つ、ローズマリーやタイムをはじめとした、二十種類以上 の地中海のハーブを配合していることです。アロマティックで、すっきりした酸と、ほのかな甘みが心地良いベルモットです。
ワイナリー犬メルロと「エルゴス・ネグレ(黒い犬)」。
カタルーニャ語で、エルゴスは”犬”、ネグレは”黒”の意味。
通常、スペインの産地では赤ワインのことを、Vino Tinto(赤ワイン)、
カタルーニャではVi Negre(黒ワイン)と呼ぶ。
「エルゴス・ネグレ」は、黒犬と、黒ワインのWミーニングを持つ。
プリオラートの伝統的なベルモットの飲み方
オンザロックでいただく場合、相性が良いオリーブの実や、オレンジの皮を浮かべると、途端にお店の気分が味わえます。お酒が弱い人は、ガセオサ(Gaseosa=日本語でソーダ) をシフォン(Sifón=日本語でサイフォン)で泡立たせて、ベルモットと割って軽やかな気泡を楽しみながらいただきます。たくさんのハーブが漬け込まれてできたベルモット。疲れた時や、暑い夏の日にも、ハーブ特有のほのかな苦味と、ワインベースの酸と、そしてちょうどよい甘さが やさしく食欲を刺激してくれます。生活を健康に、そしてコミュニケーションを豊かにしてくれるベルモット。ぜひ、日本でもこのカタルーニャの文化と共に、たくさんの人々に愛されることを祈っています。
グリフォイ・ベルモット テクニカルシート
ブドウ品種: ガルナッチャ・ネグラ 100%
ブドウ畑: 有機栽培、持続可能性、自社畑
標高: 250m
産地: スペイン-カタルーニャ- プリオラート地方-エルモラール
土壌:砂質、パナル(ローム)
醸造: 地中海の二十種以上のハーブを配合。
フレーバードワインタイプ。
熟成: 9か月5000Lのオーク樽熟成
酒質:赤、甘口、アロマティック
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