【グリフォイ・デクララ】新登場トッサルス・セレクシオ(91pts)と、「マウンテンワインズ」について。

2020年3月、ワイナリー・グリフォイ・デクララの「トッサルス・セレクシオ」が、輸入元・株式会社飯田様から発売されました。トッサルス・ジュニアの名前とデザインを変更し、より一層土着品種にこだわりました。今日は、新しくなった「トッサルス・セレクシオ」と、2017年にスタートした、独自の品質認証「マウンテンワインズ」について綴ってみようと思います。 昨年十一月、大阪のスペインワイン専門店ビノテカパネンカ様で行われた グリフォイワインイベントでは、この度トッサルス・セレクシオに生まれかわった、 トッサルス・ジュニアが大人気でした。     マウンテンワインズについて ワイナリー  グリフォイ・デクララ グリフォイ・デクララは、スペイン、プリオラート地方、エルモラール村にある、1880年以来5世代にわたる家族経営のワイナリーで、ブドウ栽培の歴史は 1736年まで遡ります。現在、5代目オーナー醸造家ロジェール・グリフォイ・デクララのもと、DOQプリオラートとマウンテンワインズ(元DOモンサン)の2つのワイナリーで自然に敬意を払ったワイン造りを行っています。     マウンテンワインズとは エルモラール村のグリフォイ・デクララの自社畑から生産される高品質ワインの認証名です。EUとENAC(スペイン国家認定機関) により認証されています。DOモンサンに認定されていた畑・ワイナリーと、そこで造られたワイン全ては、2017年から、ISO(国際標準化機構)の厳しい監査を経て「マウンテンワインズエルモラール(MWEM)」のラベルのもと、生産されています。(ISO17065認証取得)   マウンテンワインズは、山岳地帯にあるエルモラール村の自社畑限定、100%有機農法、手摘み、生産者元詰めなど、品質とテロワールを重視する厳格な規定の元、トレーサビリティの管理も目指しています。       マウンテンワインズの特徴 エルモラール村のグリフォイ・デクララの自社畑に限る 除草剤、農薬など不使用のオーガニック栽培(2000年から) 手摘み(剪定、グリーンハーベストなど全て手作業) 90%以上が土着品種であるガルナッチャ(ネグラ、ブランカ)、カリニェナ 全体の70%以上のぶどう畑は、樹齢35年以上 ミネラル豊富なスレート土壌「リコレリャ(粘板岩)」をはじめ、 ローム(パナル)、粘土、石灰岩など混ざり合った複雑・多様な土壌構成 テラスと斜面に広がるぶどう畑の半分以上が、25度以上の急斜面 少ない降水量(年間約200mm前後) 朝晩、夏冬の寒暖の差が大きい。ミクロクリマ スペイン国家認定機関と、国際標準化機構ISOの厳しい監査をクリア      DOモンサンを脱退し、マウンテンワインズを立ち上げた理由 理由1 自然に敬意を払ったブドウ栽培、品質とトレーサビリティーを守るため。 理由2 エルモラール村ならではのテロワールを表現しながら、 古くから伝わる農業・文化、原風景を守るため。(※1) 理由3 DOモンサンとの方針の違い。(※2など)   ※1:エルモラール村は、DOQプリオラートとDOモンサン、2つの原産地呼称にまたがる特殊な村で、土壌もリコレリャや粘土質など複雑多様。※2:DOモンサンは、DOQプリオラートを囲むように位置する為南北が特に離れており、標高、降水量、気温、土壌など様々なファクターの違いが大きく、テロワールが分かりづらい。そんな中、新たにコマルカ・リベラ・デ・エブロの一部の村まで認定範囲が拡張された。   マウンテンワインズにかけるロジェールの想い 「マウンテンワインズ」で一番特徴的なのは、“エルモラール村のグリフォイ・デクララの自社畑に限る”という点です。それについては、スペインのワイン法「ビノ・デ・パゴ/ Vino de Pago (単一ぶどう畑限定高級ワイン)」を見ると、理解していただきやすいと思います。 スペインのワイン法の中の、原産地呼称(DO:Denominación de Origen)は、上の図のピラミッドにあるカテゴリーに分けられます。一番上がビノ・デ・パゴです。「マウンテンワインズ」の厳しい監査(ISO17065)をクリアしたワインには、ナンバリングとアンチコピー付きの品質認証ラベルが貼られます。 […]

【グリフォイ・デクララ】ホームページリニューアル(裏話)

10月になり、グリフォイ・デクララの収穫は最盛期を迎えています。 9月7日、DOQプリオラートのガルナッチャ・ネグラから始まり、 朝も夜も休日もなくワイナリーはフル回転。 収穫前に、どうしても済ましておきたい仕事がありました。 それは、グリフォイ・デクララのホームページリニューアルです。 話は遡りますが、スペイン留学より前の福岡時代、スペインやワインとはかけ離れた世界、 出版印刷会社に新卒で入社し、営業として日々鍛えられていました。 1年間勤めたものの、広告デザインの世界に惹かれ、その当時、大卒も多かった 福岡デザイン専門学校でグラッフィック・デザインを学び、 広告代理店にデザイナーとして就職しました。   今思えば、この頃から頭のどこかで、会社や場所にとらわれず、 手に職をつけて、PCさえあれば世界中どこでも暮らせる、 そんな仕事ができたらいいなぁと、思い描いていたのだと思います。   スペイン語ゼロで、バルセロナにやって来ましたが、 Webマーケティングの会社がデザイナーをちょうど探していて、 幸いなことに働きながら、Webデザインを 一から学ばせていただくという幸運に恵まれました。 その“昔取った杵柄” で完成したこのホームページ。 久しぶりのあの達成感を味わえて、嬉しかったです。   サイトは、スペイン語、英語、ドイツ語、日本語の4ヶ国語。 思った以上に時間がかかりましたが、何とか収穫までに仕上げることができて、ひとまずホッ。   今現在、DOQプリオラートには、109軒のワイナリーがあります。 1980年代、“プリオラートの五人組”の影響で、 過疎化で衰退していたプリオラートが、一躍世界の注目を浴びる有名ワイン産地になってから、 国内外の資産家や大手企業が参入し、創業されたワイナリーが大半です。 そんな中、グリフォイ・デクララのように、プリオラートのこの地で5世代に渡って ぶどう栽培をしながらワイナリーも営むファミリーはほんの一握りなので、 ホームページでは、そのことについてまずお伝えさせていただきました。  1736年から続くブドウ栽培家 グリフォイ家の 歴史   ●グリフォイ・デクララHPより抜粋 グリフォイ・デクララは、創業1880年、5世代に遡るファミリー経営のワイナリーです。家族に伝わる古い文書に、グリフォイのファミリーネームが1736年から登場しており、少なくともその頃には自家消費用にブドウ栽培を営んでいたことが明らかになっています。 グリフォイ家は数世代に渡って、エルモラールの土地で 、ブドウ 、オリーブ、アーモンド の栽培に献身的に取り組んできました。 今日それらのブドウ畑、オリーブ畑、アーモンド畑の72区画は、5代目当主ロジェール・グリフォイ・デクララの下、 有機栽培と伝統、祖先の知識を受け継ぎながら、新しい技術と融合させて栽培しています。 家族と、そして自分が生まれ育った大切な村だからこそ、エルモラール村の原風景を守りたい、 そんな想いが人一倍強いロジェール。 同年代の友人は都会に出ていき、農業を継ぐ若者は片手に余る中、 ワイン造りを通じた新たなプロジェクトに魂を捧げています。     ●グリフォイ・デクララHPより 未来の世代のために 新しい時代の到来と共に、私共の村は過疎化し、物凄い速さで高齢化が進んでいます。 今現在、村の人口は280人を下回りました。 既に過疎化で苦しんでいたプリオラートが、エルモラール村の過疎化を阻止するこの新しい計画を打ち出す引き金となりました。 グリフォイ・デクララのチームの大半は、学びを終え経験を積んだ後、家族と共に田舎の生活に戻ったエルモラール村の人々で構成されています。 […]

siurana priorat

プリオラートの歴史を紐解く。

カタルーニャ州タラゴナ県、プリオラート地方(コマルカ・プリオラート=地方行政区)には、 23の村(ムニシピオ=自治体)が存在し、全人口は1万人も満たない、 雄々しい自然に囲まれたワイン産地です。       プリオラート地方の中に、DOCプリオラート(特選原産地呼称)と、 DOモンサン(リベラ・デブレ(Ribera d’Ebre)地方も一部含む) という2つのワイン原産地が存在します。       この地に住んでまず心奪われたのは、その歴史の深さです。 愛犬と歩くいつもの散歩道も、歴史を知ると、 まるでその時代にタイムトリップしたかのような感動に包まれます。 そこで、この地方の歴史を紐解いてみようと思います。     プリオラート地方でのブドウ栽培とワイン造りの歴史は、ローマ時代よりも前に遡ります。     歴史は流れ、711年。イスラム教徒のムーア人がイベリア半島に侵入すると、 わずか数年間でカタルーニャを征服するものの、 キリスト教徒による国土回復運動(レコンキスタ)で プリオラート地方は、12世紀にはキリスト教圏に復活しました。       その後、南仏プロヴァンスからこの地を訪れたカルトジオ会の修道士たちが、 1194年、イベリア半島で一番最初のカルトジオ会修道院をプリオラートのシンボル、 “聖なる山”モンサンの麓に建設しました。             こうして”神の階段”を意味するスカラデイ修道院(Cartoixa d’Scala Dei)が誕生しました。 プロヴァンスで培ってきた、ブドウ栽培の高い技術や知識を携えた修道士たちにより、 プリオラートのブドウ栽培やワイン造りは、年月をかけて目覚ましい発展を遂げました。     この地方の名前「プリオラート」の由来は、スカラデイ修道院と深い関係があります。 “プリオール”は「修道院長」を意味し、”プリオラート”とは、 「修道院長の領土」という意味で、 文字通り、この地方の農民たちは、ブドウや穀物を始めとした 農作物をカルトジオ修道院に納めていました。       1835年、スカラデイ修道院の所有地は国家によって没収され※、 小規模農家に分配されたため、修道院は解散、 […]